日本が外国資本に爆買いされているのは多くの人はすでにご存知のことと思いますが、その状況を確認しておきたいと思います。
少し古いのですが、2012年6月29日号の「週刊ポスト」の記事を見ると、中国による日本の土地の買収事例が紹介してあります。
【1】陸上自衛隊滝川駐屯地(北海道砂川市):駐屯地が一望できる山林を中国系企業が買収
【2】陸上自衛隊倶知安駐屯地(北海道倶知安町):隣接地100ヘクタールあまりを中国系企業が買収
【3】航空自衛隊三沢基地(青森県三沢):隣接地が外資に買収されたとの情報が流れた
【4】中華街構想(宮城県仙台市):中国の投資グループが大規模複合商業施設の建設を計画
【5】中国大使館増設(東京都港区):中国大使館が5677平方メートルの国有地を落札し政府に批判
【6】中国総領事館(新潟県新潟市):移転用地として約5000坪もの広大な土地取得が問題
【7】浅間山荘(長野県軽井沢町):中国系企業の日本法人に買い取られた
【8】中国総領事館(愛知県名古屋市):約3000坪の国有地購入計画が問題に
【9】国家石油備蓄基地(長崎県五島列島内・中通島):中国資本が島の総合開発計画を提案
【10】包丁島(長崎県五島列島内):島全体が売りに出され、中国に買われてしまうのではと騒ぎに
【11】航空自衛隊福江島分屯基地(長崎県五島列島内・姫島):隣接地の土地所有者が中国企業と売買交渉していたことが判明
【12】奄美大島、加計呂麻島(鹿児島県):中国資本が山林伐採事業等を計画し住民が反発
【13】航空自衛隊沖永良部島分屯基地(鹿児島県沖永良部島):隣接する山林を中国人投資家が現金で買おうとした
【14】海上保安庁石垣海上保安部(沖縄県石垣島):巡視船を監視できるマンションを中国人購入
【15】旧日本軍高射砲陣地(沖縄県西表島の外離島):謎の中国人一行、離島購入を断わられる
ここに紹介してあるのは、全体のほんの一部であり、また時が2012年と今から十年前になりますから、その後の十年を考えると、中国資本の「日本購入」は遥かに大きなものになっているものと推察されます。
ここで注目されるのは、総領事館、大使館向け、航空自衛隊、陸上自衛隊、海上保安庁などの国防関係の隣接地などで、あたかも臨戦態勢のために中国による「日本購入」が進められているように見えることです。
ここで「中国総領事館(新潟県新潟市)の移転用地として約5000坪もの広大な土地取得」について見ていきたいと思います。2012年6月15日の「週刊ポスト」による記事になりますが、一部を紹介します(適宜編集して簡略化しています)。
『中国の在外公館をめぐって、書記官のスパイ活動疑惑より深刻かつ不気味な事態が進行している。舞台は新潟市。国会議事堂より広い5000坪もの広大な土地が中国に買われ、そこに総領事館が移設されようとしている。
新潟に中国総領事館が設置されたのは、2010年6月で現在、中国は4階建ての商業ビルを借りて総領事館として使っているが、中国側は当初から自前の総領事館を建てたいと、新潟市に土地の紹介を要請していた。
2010年8月、新潟市の篠田昭市長は、中国の総領事館建設計画を歓迎し、住民への説明を十分に行なわないまま、中国への土地売却を前提に万代小学校跡地の測量を開始し、これに地元住民が反発、
「『万代小学校跡地を中国に売却しないでほしい』という請願が3件、市議会に提出され、2011年3月に市議会で採択され、中国への土地売却は断念された」(前出・新潟市役所経済・国際部国際課)
万代小学校跡地の広さは約5000坪。そして、中国が買った信濃川沿いの土地も5000坪。現在の総領事館の10倍以上にも及ぶ。東京・南麻布の中国大使館でも3333坪である。なぜ中国は総領事館の用地として、5000坪もの広大な土地にこだわるのか。
中国側は利用目的について、新潟市にこう説明しているという。
「職員は17人程度だが、コックや運転手などを含めるとかなりの数になるので、それらの方々とその家族を住まわせる宿舎を敷地内に入れたい。また、総領事公邸や事務棟、新潟市民とも交流ができる広い庭も作りたいという話だった」(新潟市役所経済・国際部国際課)
しかし、この説明を鵜呑みにすることはできない。本来、地方の総領事館がやることといえば、職員の人数からもわかるように主たる業務はビザの発行くらい。通商問題の処理等もあるものの、こんなに広大な土地を取得する必要性はまったくないのだ。
ではなぜ、中国は広大な総領事館、しかも新潟にこだわるのか。
中国出身で、中国の内情に詳しい「石平・拓殖大学客員教授」は中国の国家戦略をもとにこう語る。
「中国は2005年に北朝鮮の羅津港を租借し、悲願だった日本海進出の拠点を確保した。そこから新潟までは一直線で、今後、新潟は中国にとって戦略上の重要な拠点となる可能性が十分にある」
自民党の参院議員で元陸上自衛官の佐藤正久氏は、中国が2年前に制定した「国防動員法」との関連を懸念する。国防動員法とは、中国が他国と戦争状態になった際には、中国国民はすべて動員され、戦争に協力しなければならないとする法律である。その対象は中国国内にいる国民だけでなく、海外に住む中国人も含まれる。
「中国の国防動員法では、有事などの際に、人民解放軍が自国民保護のために他国に上陸することも可能だとしている。日中関係が緊迫した時に、新潟の総領事館はその拠点として、軍事要塞化されるのではないかという不安の声もあるが、我々は許しません。さらにいえば、新潟は北朝鮮による拉致の拠点にもなっていた。中国は北朝鮮の後ろ楯ですから、北朝鮮の工作員なども総領事館に逃げ込む可能性がある」
問題は、中国が取得した土地にいったん公館が建てられれば、そこに日本の公権力が及ばなくなることだ。
ウィーン条約は22条1項で次のように規定している。
<使節団の公館は、不可侵とする。接受国の官吏は、使節団の長が同意した場合を除くほか、公館に立ち入ることができない>
軍事ジャーナリストの井上和彦氏がいう。
「仮に中国が取得した土地に総領事館が建てば、そこは治外法権になってしまう。外交官が普段から使っている車の中も治外法権になる。そうなれば、中国が総領事館の中で、爆弾を作ろうが何をしようが一切手出しはできない。まさに日本国内に“中国の領土”ができるのに等しいのです」
外務省に問い合わせると、
「本年1月、在京中国大使館からの連絡によれば、中国側は当該民有地取得のための売買契約を締結済みであると承知しています」
と回答をした。しかし、この問題を追及する自民党の小野寺五典衆院議員は、新潟の土地売却を阻止するチャンスはまだゼロではないと話す。
「日本には外国人土地法という、土地取得に制限をかける法律があります。しかし、この法律に基づいた政令が規定されていないため宙ぶらりんになっているのです。政令で定めれば中国による土地取得を阻止できるのですから、一刻も早く法整備すべきでしょう」』
2013年に「自衛隊、海上保安庁、原子力発電所周辺の土地は危機管理上、A分類に指定し、政府の許可なしには取引不可とする。そのほか水源地など国家的に重要な土地はB分類に指定し、国が監視できるようにする」という内容で日本維新の会の中田宏氏が法案を提出されました。
世界貿易機関のWTOルールに従えば、通常は、「国土は外国人には売らない」、「国土は売るがそれは互恵平等の原則による」などが掲げられれば、「中国は国土を売らないのだから、わが国も中国資本には売らない」という言い方ができますが、WTO加盟時、何の条件も付けずに加盟したことにより、互恵平等の原則が使えないということで、現在があるということになります。
しかし、こうした“ぬるい”法案も、審議されずに廃案になったそうです。
その後、実に8年の歳月をかけて、2021年6月に「重要土地利用規制法」として成立を見ました。
しかし、ニセコのように山に囲まれた観光地などは“規制外”であり、今後も中国資本による日本の買い占めは進んでいくことが予想されます(週刊ポスト2022年2月11日号)。
では何故中国資本の日本買収がそれほど問題視されるのでしょうか。それは「尖閣諸島の領有権紛争」に見られるように、2013年4月、南沙諸島の中國領有権主張と同じく、中国は日本の領地である「尖閣諸島」を一方的に「中国の核心的利益」地域として宣言し、日本侵攻をあからさまに企んでいるからであり、何時、如何なるときに日中間に有事の事態が勃発するとも限らず、また中国の「国防動員法」が有事の際に発動されれば、日本国内にいる中国人は基本的に全員、中国戦闘員、中国民兵として立ち上がることが予想される所に最大の問題があることになります。
だからこそ、日本国内に中国による治外法権的な「中国」を作ってはいけないのですが、日本政府には、まだその恐怖、中国の考えが分からないようです。これでは、間違いなく日本は中国に乗っ取られ、中国の属国になるしかないように思われます。
しかし、こうした中国企業(中国企業の背後には、必ず中國共産党がいることを認識しておかなくてはなりません)による日本買収が、なぜこうも続き、また拡大していくのでしょうか。
一言で言えば、日本の国力が落ち、経済悪化による地方自治体の財政逼迫、税収低下にあり、その穴埋めに裕福な外国資本、とりわけ金離れの良い中国に自治体自らが率先して不動産売買に手を出す所にあります。
地方自治体は国全体を見る必要はなく、一自治体だけを考えれば良いのであって、他の自治体が困ろうが関係なく、また自治体首長は自分の任期中に市民の生活が満たされればよいのであって、資本が中国資本であろうが、アメリカ資本であろうが関係なく、自治体財政が豊かになればそれでよしとなります。
しかし、「国」は、亡びるか属国になるかなど、国民全体の福祉に繋がることであり、大所高所からの判断が必要になり、一自治体の判断とは異なるものとなります。
こうして財政逼迫自治体は金満国「中国」になびきますが、それが結果として日本を危うくすることになります。
そしてこの傾向が続けば、その先は間違いなく、チベット・ウイグルを洗脳した恐怖の“中華人民共和国”の支配下に置かれ、チベット・ウイグル族以上の“洗脳”教育を受けなければならなくなるかもしれません(極楽トンボで全て人頼みで自分の国を自らが守る気概のない国を、アメリカは守ってはくれません)。
こうした自治体の財政逼迫は何故起きるのでしょうか。それは日本の企業活動が停滞し、経済が委縮しているからに他なりません。すなわち、デフレ経済下で、需要が喚起されず、供給サイドが活性化されないために、デフレスパイラルの状態に日本経済が落ち込んでいるためであり、自治体を救うためには、何としてでも、国内の企業活動を活性化させる必要があります。
現在日本はデフレで、需要が低迷しています。需要が低迷すれば供給活動は起きえません。すなわち、雇用の減少、賃金の低下が続き、経済はますます低迷し、自治体税収は低下し、その結果中國資本に「日本の国土」を売り渡すことになり、このことが日中間の有事の際の中国国防動員法に屈服することに繋がります。
では、この日本の危機をどうすれば克服できるのでしょうか。
それは、政府による積極的な「財政措置」と日銀の積極的な「金融緩和措置」です。この両輪が同時に回転しだすとき、デフレ下の日本の経済は活性化し、自治体の「日本国土の中国販売」は無くなることが予想されます。
したがって、日銀の積極的な「金融緩和措置」は既に実行中ですので、政府による積極的な「財政措置」が、至急実施される必要があります。
ここで、財務省が今でも唱えている桎梏、通貨発行権のない地方自治体には成り立ちますが、通貨発行権のある日本国には成り立たない「財政規律の健全化、プライマリーバランスの維持」という誤謬を止めなくてはなりません。
政府は、財政規律の健全化、プライマリーバランスの維持を止めれば、日本は崩壊すると言いますが、“崩壊しません”。“絶対に崩壊しません”。
日本には通貨発行権があり、通貨はいくらでも供給できます。政府・日銀が注意することは“通貨発行の増大”による、インフレを心配すればよいのであって、財政規律の健全化を止めることによって日本が破綻することは絶対にありません。あり得ません。
今日本を破綻に追い込み、日本を中国に売り渡そうとしているのは「財務省」そのものです。
今断言できますが、日本を存亡の危機に向かわせているのは、自治体でも中国でもなく、それは日本国の「財務省」だということを認識する必要があります。
獅子身中の虫、「財務省のPB堅持」こそが、日本を奈落の底に向かわせている最大の「原因」だということを、皆さんに知って頂きたいと思います。
この日本国衰亡の責任、中国への属国化への道の責任を誰が取るのでしょうか。その黒幕を絶対に許してはなりません。
注:画像は全てフリー画像を利用させて頂きました。ありがとうございます。