韓国は日本の“アキレス腱”それとも“ガン”


保守系政党「国民の力」の 尹錫悦(ユン・ソクヨル) 氏(61)の第20代大統領就任式が10日午前11時、ソウルの国会議事堂前で行われ新しい韓国が発足しました。

私たちはこの韓国を、どう捉え、どのような対応をとれば良いのでしょうか。

図1 アキレウス

 昔のギリシャ神話の中で、アキレスは、プティア王ペレウスと海の女神ティティスを父と母に持ち、生れます。母ティティスは、アキレスを不死身にしようと、冥府の川ステュクスに彼を浸しますが、ティティスの手はアキレスのかかとを掴んでいたために、水に浸からずかかと部分は不死とはなりませんでした。

ギリシャとトロイア間の戦争で、アキレスがアガメムノンとの対立で戦場に出ようとしないためにアキレスの親友パトロクロスがアキレスの鎧を借り、劣勢だった戦況を一時盛り返しますが、パトロクロスは、イーリオスの王子であるヘクトールに打たれます。 

パトロクロスの死を知ったアキレスは嘆き悲しみ、ヘクトールに復讐するために戦場に戻り、ついに、ヘクトールとの一騎打ちとなり勝利しますが、その後急所のアキレス腱をイーリオスの王子パリスに弓で射られ、それが原因で命を落とすことになりました。

英雄アキレスの唯一の弱点、それはアキレス腱でした。

 皆さんご存知の、「イーリアスとオディッセイ」の一節です。

アキレスは無双の英雄になりましたが、不死とならなかったかかと部分がアキレスの運命を決することになります。

このエピソードが、「アキレス腱」が「強いものが持つ弱点・急所」の比喩となった「喩え」と言われています。

 同盟国と言われている韓国は日本の「アキレス腱」でしょうか。強くて盤石の日本で、唯一脆くて弱い部分が同盟国「韓国」ということになるのでしょうか。

 

 勿論、韓国は日本の「アキレス腱」などではありません。では、同盟国と言われている韓国は日本にとってどういう存在なのでしょうか。

 

 韓国と日本の歴史を紐解くとき、韓国は日本の「桎梏」として働いてきたことが分かります。

1392年に高麗の李成桂が高麗王・恭譲王を廃して、自ら権知高麗国事になり即位を自称したことで李氏朝鮮が成立します。

朝鮮という国号は明の洪武帝から下賜されたものであり、正式に明に朝鮮国王として冊封を受けたのは第3代太宗治世下1401年でした。

明と朝鮮の関係は、宗主国と属国、君臣父子の関係であり、李氏朝鮮は中華の分身の小中華と自称して、宗主国の明に仕える立場から中国と事大外交1)を繰り広げることになります。

※1)事大主義とは、自己の信念を捨て、強いものや風潮に迎合することにより、自己実現を目指す行動様式のことで、「事大外交」とは、冊封体制による 外交を指します。

その後、弱体化した明とそれに乗じて伸張してきた後金(清)に挟まれ(サルフの戦い2))、その後朝鮮は二極外交を展開することになります。

※2)サルフの戦いは、1619年にヌルハチ率いる後金(のちの清)が明・朝鮮の後金討伐軍を破った戦い。

1636年、後金は清と国号を改め、朝鮮に対して清への服従と朝貢、及び明へ派遣する兵3万を要求し、これを拒否されると1936年、清の太宗(ホンタイジ)は12万の兵力を率いて朝鮮に侵入し、朝鮮は清に服従すること、明との断交、朝鮮王子を人質とすること、莫大な賠償金の支払い、また朝鮮国王“仁祖”はホンタイジに対し三跪九叩頭の礼(三度跪き、九度頭を地にこすりつける)をし、清皇帝を公認する誓いをさせられました。

中国の王朝が明から清に変わった17世紀以降も、李氏朝鮮は中国王朝の冊封体制下にあり、朝鮮が大清皇帝を中心とした冊封体制から離脱するのは、日清戦争の下関条約が締結された1895年以後になります。

朝鮮の歴史は厳しく、生き延びるために常に強国に配慮したものであり、「朝鮮国王は、新しく交替するたびに、特使を遣わして中国皇帝にその即位の承認を求め、特使はまた、朝鮮で起きた主要事件について、すべて報告する義務を負っていました。また、朝鮮では中国人使節が宮廷での席順で朝鮮国王より上位にいるため、「朝鮮国王は、使節を迎えるときソウル城外に出て謹んで敬礼をし、使節が入城した門以外の別の門を通ってソウル城内に入らねばならない」との規約がありました。

1392年、李氏朝鮮が成立して以来、約500年間、選民意識の強い朝鮮は中国王朝の冊封体制下にあり、中華の分身の小中華と自称して自己を権威付けようとしてきました。当時の朝鮮の考え方で言えば、世界で最強の軍事国家・最高の文明・文化国家は中国であり、その強大な中国に属していない辺境の日本は、小中華の朝鮮から言えば、自尊心、自己満足を満たすためにも朝鮮よりも文化・文明的に劣った野蛮な国であり、朝鮮が教え諭す国としての位置づけに長い間日本を置いてきました。

日本にも江戸時代以前から身分制度があり、江戸時代には「士農工商」、この下に「穢多(えた)、非人」という身分制度があり、明治維新以後これらの身分制度は廃止され、四民平等の社会が訪れることになります。

朝鮮の身分制度は「両班、中人、常民、賤民」からなり、両班が絶対的権力を握っていました。この朝鮮の身分制度が無くなったのは、1910年(明治43年)8月29日に「韓国併合ニ関スル条約」へ基づき大韓帝国政府と韓国統監府が廃止され、大日本帝国(日本)が大韓帝国を併合してからになります。

 日清戦争後に独立し改名した「大韓帝国」は併合されるまで、両班を中心とした「身分制度」が存在していましたが、大日本帝国に併合されることにより、身分制度は撤廃され、両班の既得権は失われることになります。

図2 韓国身分制度

 問題はここから派生することになります。

 日本の身分制度解体は日本政府が国民に強いたことであり、国民は従うのに大きな抵抗はありませんが、韓国の場合には日本による強制であるために、韓国民、とりわけ既得権を有する支配階級の反発は激しく、日本は旧韓国支配階級の恨みを買うことになり、反日の素地が旧支配階級を中心に醸成されることになります。

 こうして韓国は二重の意味で日本を毛嫌いします。一つは、蛮族で文明・文化に劣っていると思っていた弟分の日本に支配されたこと、二つ目は、身分制度を自発的にではなく強制的に解体され、支配階級(両班)にとって我慢ならないこと、が挙げられます。

 

ここで、朝鮮文化の基調をなす「恨(ハン)」について見ておきたいと思います。この「恨(ハン)」についても、主に支配階級を中心にもたれ、意識されてきたものであると思われます。

呉善花氏は、「『恨』は、韓国伝統の独特な情緒で、恨は単なるうらみの情ではなく、達成したいけれども達成できない、自分の内部に生まれるある種の『くやしさ』に発しています。それが具体的な対象をもたないときは、自分に対する『嘆き』として表われ、具体的な対象を持つとそれが『うらみ』として表われ、相手に激しい恨をぶつけることになっていきます」、と述べている(文春新書『朴槿恵の真実』、2015年)。

また、李圭泰氏は、『原義の「恨」は怨念を抱く状態で、怨念を抱くようにした外部要因を嫌い、またその怨念を抱いた自分自身を悲しむということも含む。・・・このような怨念は韓国人の「恨」に別の意味を派生させ、韓国人の「恨」には怨念以外の被害者意識が絡んでおり、韓国人は、国民は官憲の被害者であり、貧しい者は富む者の被害者であり、野党は与党の被害者であると思い込んでいる。』新潮選書『韓国人の情緒構造』(、1995年)。

とあります。

「恨(ハン)」の思想は単なる恨み、辛みではなく、悲しみ、無念さ、痛恨、虚しさ、優越者に対する憧れや嫉妬などの感情を含んだ複雑なもののようですが、支配者、圧制者だった日本への無念さ、痛恨、虚しさ、優越者に対する憧れや嫉妬、そして被害者意識が意識の根底にあり、それが、「レーダー照射」「旭日旗批判」などの挑発行為、日本政府が韓国をホワイト国リストから外し、対韓半導体・ディスプレー材料3品目に対する輸出管理を実施することに対する韓国側の強硬な反対、そして最近では、国際法を無視する「日韓基本条約」の無効を訴えるなど、韓国側の理不尽な主義、主張に繋がっているものと思われます。

そしてそれを最も強く表現したのが李承晩であり、第2次大戦終結後、1949年1月、李承晩は、対馬、竹島の領土声明を発表し、韓国は連合軍の一員として「朝鮮進駐軍」を自称します。更に戦勝国の韓国は「朝鮮進駐軍」として日本に駐留する権利があるとも主張し、対馬、九州北部への侵攻計画を画策し1950年6月、韓国全軍の朝鮮半島南部への大移動を始め、李承晩は米国に対して日本侵攻(九州、対馬、竹島)を伝えます。

武装解除された日本を侵攻することは、いとも簡単と思ったのでしょう。もしも侵攻すればGHQが黙っていませんが、被害者意識、劣等感に包まれた彼には、それは見えていなかったのでしょう。

しかし、北朝鮮が38度線を越えて韓国に侵入することで、李承晩の日本占領の野望は消えますが、しかし、この意識、恨の思想が韓国の深層心理を支えている限り、韓国は日本に敵対する国、日本に恨みを晴らすことを目論む国、日本に相対峙する国として今後も韓国を見ていく必要があると思われます。

したがって、抜本的な思想改革、正義・道徳の回復が見られない限り「韓国」は日本の“ガン”であり、取り除くことが求められます。その手術は韓国の保守、野党の勢力差によって大きな手術が必要か、小さな手術で済むかは決まってくるとは思われますが、しかしいずれにしても、小中華を自認する韓国の根底に「恨(ハン)」の思想があり、この「恨(ハン)」の思想を痛く傷つけている日本は、基本的に韓国の“敵性国家”としての位置にあることを自覚して、常に慎重に 尹錫悦(ユン・ソクヨル) 新政権と対峙していくことが求められるものと思われます。


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