ロシア・ウクライナ戦争が続いています。こうした中で表向きは静観しているように見える中国ですが、いつだったか、外務省の趙立堅氏が「アメリカは一方的な対露制裁をエスカレートさせ、どちらの側に立つのかと世界を脅迫している」とアメリカを批判しました。
また習近平氏も、「ボーアオ・アジアフォーラム」で、「一方的な制裁の乱用に反対する」「如何なるデカップリングや圧力をかける行動も通用しない」と述べ、暗にロシア擁護の姿勢を明確にしました。
す。
今世界は西側の自由民主主義陣営と、東側と言いましょうか、強権・覇権主義陣営とに分かれて、対立を深めています。
プーチンの野望はウクライナを併合し、旧ソ連領土を確保することかもしれませんが、この紛争はアジアにおける中国・台湾、中国・尖閣諸島紛争に繋がる恐れがありますから、日本にとって極めて意味深な内容を含んだ戦争と言えます。
G7に与する日本は明確にロシア制裁に向かって舵をきっており、ロシアは日本人外交官8名に国外退去を命じました。
中国とロシアの合同軍事訓練は、
1 2019年7月23日
統合幕僚監部、中国機2機とロシア機2機が東シナ海から日本海への飛行したのを確認
2 2021年10月1日
ロシア、大和堆周辺でミサイル演習を行うと通告
3.2021年10月19日
防衛省、中国軍とロシア軍の艦艇合わせて10隻が、18日、津軽海峡を同時に通過したと発表
4. 2021年11月19日
防衛省、中国軍爆撃機2機とロシア軍爆撃機2機が、日本海から東シナ海の上空を飛行したあと、沖縄本島と宮古島の間を抜けて太平洋に出たと発表。
以上のロシア、中国・ロシアの日本周辺での共同訓練は何を意味しているのでしょうか。
ロシアがウクライナ侵攻を始める1年前から、ロシアはウクライナ国境周辺に15万人のロシア兵を配置していたといいます。ロシア・中国の日本周辺での活動も、ただ単なる共同訓練ではなく、各種情報収集も行われ、日本を第2のウクライナにするための訓練、情報収集だったと考えることは、飛躍しすぎでしょうか。
他国の領域にわざわざ空軍機、艦船を派遣することなど、何らかの敵対行動を取るための情報活動としか思われません。
逆に考えて、日本が中国沿岸部の黄海などにわざわざ空軍機などを派遣するでしょうか。何らかの目的のための情報収集と考えなくては、こうした無駄が行われるはずがありません。
ロシア・ウクライナ戦争はロシア侵攻が始まるまで、全く多くの人は信じられなかったと言います。
考えてみれば、ロシアはウクライナに“宣戦布告”をしましたか。改めて、ロシアのウクライナに対する宣戦布告を私は聞いた覚えがありません。ロシアには、ウクライナに「宣戦布告」をする大義名分がありません。
あ
今回のロシア侵攻を見るにつけ、大義名分は必要ない
ようです。しかし、大義なき戦争は、兵士からモチベーションを奪います。この大義の無さが、ロシア侵攻がなかなか進まない原因でしょうか。
ところで、日本周辺での中ロ共同軍事行動・教練は、日本が未来のウクライナになる形を示していると、うがった見方をすれば、見えなくもありません。
日本は過去、中ロと戦火を交えてきました。幸運にも、日本は中ロに負けることはありませんでした。
しかし、改めて日本周辺の状況をみて見ますと、今後第2のウクライナ戦争が起こりそうなところとして、中国が革新的利益を標榜している「台湾」、「尖閣諸島」当たりであり(南沙諸島はすでに中国が軍事基地を作ってしまいましたから、それを南シナ海周辺国で分け合うことはできません。中国が武力で阻止します)、それは日本に直接関係してくるものです。
このようなことは考えたくはないのですが、もしも日中間で戦端が開かれた場合、中国にいる日本人はどうなるのでしょう。
これは人質、捕虜、日本への脅しの切り札に利用される可能性があります。
実は、現在中国で企業活動をしている日本企業は、もしも日中間で心ならずも戦争が始まった場合、「人質、捕虜」になる恐れがあります。
中国にある資産、設備は没収され、従業員は「人質、捕虜」となって、施設に収容されることになります。
日本企業が抱える中國リスクは、つまるところここにあり、だからと言って、日本政府が尖閣諸島を中国に捕虜との交換で手放すという甘い考えは捨てた方がよいのではないかと思います。
勿論北方ではロシアが、アイヌ人はロシア人が北海道に移住したロシアの先住民族だったから、北海道はもともとロシアの領土だった、という作り話をもって北方4島を足掛かりに、噓か誠か、北海道に攻め込む意図もロシアにはあると言われています。
いずれにしても、というような危険が日本にはあり、中国進出企業は日本へ撤退するか、他の諸国に進出を果たす必要があるものと思われます。
ところで、帝国データバンクによれば、中国(香港・アモイを除く)に進出している日本企業は、2020 年 1 月時点で 1 万 3646 社で、「製造業」(5559 社)が全体の約 4 割、次いで「卸売業」(4505 社)が全体の約3割を占め、「小売業」(443 社)3%となっています。地域別では、中国東部の「華東地区」で 9054 社、なかでも「上海市」は 6300 社と最も多く、中国全土でも最多になっています。
こうした在中企業ですが、現在の意向を中国の独立系経済メディア「財新」が2021年1月に調べた結果、「現状維持」50.6%、「拡大」43.2%、「生産拠点の移転もしくは撤退」9.2%でほとんどの企業は中国事業の生産拠点の移転もしくは撤退を考えていないという実態が明らかになっています。
2019年10月現在、中国に住んでいる日本人は約11万6000人程度ということですが、簡単に言えば、今有事の事態になれば、この11万6000人が「捕虜・人質」になると思って間違いありません。
現在の日本企業の思考を考える時、いざという時、中国での「捕虜・人質」10万人を念頭においた緊急事態を想定する必要があるかもしれません。
※余談ですが、中国には2010年制定の「国防動員法」があり、日本国内にいる約75万人の中国人は有事のさいには中国本土の政府の指示で動く、中国の国防を担う人民解放軍の先兵になることが義務付けられています。
また、「国家情報法」という法律があり、国民や組織は政府の情報活動に協力する義務があるとされており、政府が欲しいといえば、協力して情報を差し出す必要があります。情報スパイが暗躍するもとになります。
こうしたいろいろなことを勘案すると、中国が世界を制覇するという“悪夢”が、実現してしまいそうな気がします。
日本政府は、知っていても今は問題ないから放置しているかもしれませんが、実は日本の秘密情報など、中国に筒抜けになっている恐れがあります。
スパイ防止法すらない日本は、“赤子の手をひねる”よりも簡単に、情報操作、国内扇動で混乱におとし入れられそうです。
日本は大丈夫でしょうか。
デフレ経済を解決する能力、力がない、身近に危機が迫っていても気が付かない、自分の決断のなさによって招いた危機も他人任せで回避しようとする、・・・・・・・。私は日本が好きです。
しかし、あまりにも“極楽とんぼ”すぎます。危機意識の程度が欧米諸国と違います。
政府には、本当に頑張ってもらいたいと、心から思っています。
注:画像はすべてフリー画像です。ありがとうございます。