目の健康


ー見る力をとりもどしたいー

 皆さん、お元気ですか。毎日忙しくしておられることと思います。健康にはくれぐれもご留意ください。

 ところで、皆さんで最近字が見えにくくなった、かすんで“ボウ”として見えるようになったとかの経験はありませんか。

 実は私は最近字がかすんで見えることがあり、年齢のせいかなとも思っているのですが、やはり気になります。

 どちらかと言えばデスクワークが多い私は、パソコンやスマホを利用する機会が多く、目が疲れないと言えばウソになります。とは言え、パソコンやスマホを利用することを止める訳にはいかず、止めないで目の状態をよくできないか、“かすみ目”を改善できないかと思っています。

 

 この間、眼科の先生に相談したとき、

目が疲れていると感じることが多い

目が乾いていると感じ、よく目薬をさす

目やにが出る

目がかすみ、ものが見えにくくなってきた

視力が低下してきたと感じる

肩がこる

 ということを言いましたら、次のようなことを言われました。

Ⅰ.パソコン作業は1時間続けたら10分休むなど、こまめに目を休ませる時間を作ること。そして、目を閉じたり開いたりして光をコントロールしたり、上下左右に眼球を動かす動作を繰り返し目のストレッチを行うこと。また、睡眠は目の疲労回復に大切なので、1日6~7時間は睡眠をとること。

Ⅱ.目の物理的な改善方法は最も直接的な改善方法ですが、目の健康維持に必要な栄養素を含む食事をすることも大切で、体のバランスによい食生活を基本としながら、小松菜やにんじん、ほうれん草、ブロッコリー、豆類、牛・豚・鶏のレバー、サバ、貝類などを摂ると良いと思います。

 Ⅲ.それと、目の周囲や首・肩周辺の筋肉が長時間の姿勢で緊張し固くなると血流が悪くなり、目が見えにくくなったり、眼精疲労を感じたりするので、目や首のあたりを温めることが必要で、温めたタオルを患部に当てたり、風呂などでよく温め、血流を良くすることも効果があります。

というような回答を得られました。

 これは無料で“かすみ目”の改善を促す方法なので、私でも実践しやすく、現在取り組んでいる最中です。

 ところで、パソコンで有害といわれる“ブルーライト”ですが、何故有害か確認しておきたいと思います。次に、加齢とともに衰える「見る力」について見ておきたいと思います。

1 “ブルーライト”の害

 1)網膜疾患

一般に「目に見える光」はいわゆる「可視光線」で、その波長域は約(400~800)nmとなっています。

 光には波長が存在し、波長が大きい波のエネルギーは小さく、波長が小さい波のエネルギーは大きくなります(図1参照)。

図1 光波長とエネルギー

 ブルーライトが目に悪い理由はエネルギー強度が強すぎることにあり、紫色や青色の光のエネルギーは強力です。

  しかし、幸いなことに、紫外線は眼球の水晶体や硝子体で吸収されて網膜に達しません。

一方、ブルーライトは可視光線のなかで最も短波長帯域(400~500)nmの光ですので、可視光線の中では最も強いエネルギーを持っていることになります。

  したがって、青色で可視光線帯域の波長なので、他の色の光波長と一緒に吸収されずに網膜に達します。そのために、ブルーライトは網膜の視神経細胞に大きな負担を与え、いろいろな網膜疾患を引き起してしまうという悪影響を及ぼすことになります。

2)光の散乱の害

ブルーライトが目に悪いもう2つ目の理由は、「散乱」により目が疲れてしまうことにあるようです。

  光は進路に「もの」があると短波長の紫外線は反射し、長波長の赤外線は通り抜けますが、その間のブルーライトはいろいろな方向へ反射、すなわち「散乱」します。散乱光はまぶしく、像のチラツキを生みますので、水晶体は頻繁にピント合わせの運動を余儀なくされて、目を疲れさせることになります。

  3)ブルーライトによる症状・リスク

  •  目の疲れ、痛み

  ブルーライトには、「網膜に直接入射する」「強力なエネルギー強度を有する」「拡散による像のチラツキを生ずる」という特徴を有しており、これよって網膜に過剰な負担がかかり、「目の疲れ(眼精疲労)」「目の痛み(眼痛)」が引き起こされることになります。これが高じて「頭痛、片頭痛」を誘発することになります。

ただし、眼球の硝子体と網膜は「ルテイン」「ゼアキサンチン」という色素で守られており、ブルーライトのような強い光を、このルテインは吸収し、網膜への到達を和らげる働きをしています。

 しかし、ブルーライトを浴びることで消費され、次第にブルーライトへの耐性が減り、やがて網膜の負担が増し、疲労、痛みを引き起こすことになります。

② 視野のゆがみ、ぼやけ

  ブルーライトは進路に対象があるといろいろな方向へ「散乱」し、像のチラツキを生むので、水晶体は頻繁にピント合わせのためにその厚みを変化させなければならず、ピント調整対応が難しくなっていきます。

③ 網膜疾患

  網膜は図示したように、眼球の最も内側にある膜で、眼の中に入ってきた視情報を視神経が受容して脳へ伝える役目を果たす大変重要な組織です(図2)。

図2 網膜

網膜が損傷を受けて網膜疾患を発症すると「もの」が正常に見えず、悪化すれば失明に至る恐れもあります。

  網膜疾患には、網膜症、網膜剥離、網膜症、加齢黄斑変性症などがあります。

2 加齢による“見る力の衰え”

 ものを見る力は、網膜、毛様体筋、水晶体、血流、涙液に支えられていますが、中でも重要な網膜の中心部「黄斑部」はルテイン、ゼアキサンチンという色素成分で守られています。

 しかし、これらの成分は加齢とともに減少し、目の負担となるブルーライトや紫外線をカットするフィルターの役目を果たせなくなり、網膜が直接光ストレスを受けることで、感度が下がり、見え方に支障が出てくることになります。

3 ブルーライトと加齢による「見る力の衰え」

 通常の人の場合、眼球の硝子体と網膜は「ルテイン」「ゼアキサンチン」という色素で守られており、ブルーライトのような強い光を、このルテインは吸収し、網膜への到達を和らげる働きをしていますが、長時間・長期間のパソコン作業等でブルーライトを浴び続けることで次第にブルーライトへの耐性が減り、やがて網膜の負担が増し、疲労、痛みが引き起こされることになります。

上のメカニズムは高齢化することによって「ルテイン」「ゼアキサンチン」が減少し、網膜が直接光ストレスを受けることで、疲労、痛みが引き起こされること同じで、共通ワードは「 ルテイン」「ゼアキサンチン」で、 ルテイン」「ゼアキサンチン」の減少、退化が「見る力の衰え」を促しているということになります。

4 食品の選定

  • ゼアキサンチンを多く含む食品

ゼアキサンチンは緑黄色野菜といった緑や黄色、オレンジ色の食品に多く含まれているようです。

 ほうれん草、ケール、ニンジン、ブロッコリー、グリーンピース、パプリカ(オレンジ色)、パパイアなど

 2)ルテインを多く含む食品

ケール 21.9mg(100当たり).シソ(赤)14.25mg.モロヘイヤ 13.63mg.ヨモギ 11.26mg.パセリ 10.01mg.ペパーミント 8.48mg.バジル 8.11mg.コマツナ 7.59mg.ルッコラ 5.78mg.セリ 5.78mg.チンゲンサイ 5.46mg.エンドウマメ 5.37mg.クレソン 5.05mg.ダイコン(葉) 4.73mg.ホウレンソウ 4.51mg

 などが挙げられています。

「見る力の衰え」を回避するためには、適度の休みを取る、睡眠時間を十分に取る、患部を暖めるなどの直接的な処方箋がありますが、食生活の改善が基本的に必要なようです。

目の養生にご活用下さい。

注:画像は全てフリー画像を利用させていただきました。ありがとうございます。


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