生活習慣とメタボリックシンドローム


 皆さん、お元気ですか。お元気のことと思います。毎日が楽しいとお思いの方が多いと思いますが、逆に体調が何となく重く、毎日が憂鬱と感じられる方もおられるかもしれません。

 私は今のところ、可もなく不可もなくといったところで、楽しいという訳でもありませんが、憂鬱というほどでもありません。

 健康に若干不安を抱えている私は、比較的健康書籍などに目を通す機会が多かったせいか、なんとなく無意識的に健康の自己管理的なことをやっているみたいで、可もなく不可もないといった状態ではないかと思っています。

  ただ最近は運動不足のせいか、体が重く、少し心配しています。

1.メタボリックシンドローム(メタボ)

 ところで皆さんは“メタボリックシンドローム(メタボ)”という言葉をお聞きになったことはありませんか。メタボとは、運動不足や肥満などが原因で発症する生活習慣病の前段階のことを指しますが、具体的には高血圧・脂質異常症・肥満などが重なって起こると糖尿病の発症や心臓や血管の病気につながりやすいといわれています。特に車社会で栄養豊富な現在社会では、メタボが増えていく傾向にあると言われています。

 メタボの人は、メタボでない人に比べて、2型糖尿病注1:になるリスクが約3倍、心血管疾患になったり、それにより死亡するリスクは約3倍になるといわれており、また、非アルコール性脂肪肝、高尿酸血症、腎臓病、睡眠時無呼吸症候群といった病気にもつながりやすいと言われています。
 自覚症状がないことから放置している人が多いようですが放置してよいものではなく、適切な運動や食事療法による体重、血圧、血中脂質、血糖値の管理を行うことが必要で、決して放置して良いものではないようです。
 注1:因みに、2型糖尿病とは、高血糖症、インスリン抵抗性、相対的インスリン不足が特徴の長期的な代謝異常で、その症状としては、異常な喉の渇き、多尿症、原因不明の体重減少、多食症(空腹感の増加)、疲労感、傷が治らないまたは治りにくいことなどの症状があるようです。

 たとえば、わずか5~10%の体重減少でも、メタボによる高血圧・脂質異常・高血糖が改善されたり、糖尿病の発症が予防できるので、ダイエットが有効です。また、タバコは動脈硬化を進行させ、心臓・血管の病気の原因にもなるので、禁煙もとても重要といわれています。

図1 メタボの判断基準
出所:厚生労働省、国立国際医療研究センター

 ここで、肥満指数(BMI: Body Mass Index)を掲げますが、ご自分の肥満度がどの程度か計算をされて見られるのも面白いかもしれません。

BMIの計算方法:BMI=体重(kg) ÷ {身長(m) X 身長(m)}

 BMI判定評価:

判定評価表

ただし、これはあくまでも目安として見て頂きたいと思います。

BMIは健康を基準とした体重であり、統計上、糖尿病・高血圧・高脂血症などの疾患にかかりにくいとされる指数値で、そのために普通体重だと見た目、やや太って見えることがあるようです。

ファッション体重を目指すのなら、BMI19が目安になるようです。18.5以下は痩せすぎなので、ダイエットをするときは、健康に十分気をつける必要があるようです。

因みに、私のBMIは「21.9」でした。ちょうど普通体重といったところでしょうか。「やれやれです」。

2.生活習慣病

生活習慣病は、以前は「成人病」という名称で呼ばれていましたが、現在では「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」と定義されています(厚生労働省)。

 言い換えれば、生活習慣病とは「バランスの悪い食事や過食・運動不足・睡眠不足・嗜好品(喫煙や飲酒)などの生活習慣の乱れによって発症し、進行するさまざまな病気の総称」ととらえることができそうです。

 生活習慣病は、食事や飲酒、喫煙、運動、睡眠などの生活習慣が、発症や進行に大きく関わる病気の総称で、具体的には糖尿病や高血圧症、脂質異常症、肥満症、歯周病、大腸がん」などといったさまざまな病気がこれに該当し、メタボとは、内臓脂肪型肥満(内臓のまわりに脂肪が過剰に蓄積)で、高血圧や脂質異常、高血糖のうち、2つ以上当てはまる状態を言うとあります。 

メタボの問題は蓄積された内臓脂肪から放出された脂質により、中性脂肪の増加やHDLコレステロール注2:の減少が引き起こされて動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中、糖尿病に至る可能性があるところにあります。

 注2:HDLコレステロール;HDL(高比重リポタンパク質)に包まれたコレステロールで、末梢組織で不要となったコレステロールを肝臓に輸送する働きをする、善玉コレステロール

 しかし、生活習慣病とは生活習慣が「病」になったもので、生活習慣はメタボにも関係しており、 

食べすぎ・食生活の乱れ、運動不足・精神的な疲労の蓄積(いわゆるストレス過多)などが、メタボの主な原因といわれています。例えば、

 ・朝食を抜く、つい食べ過ぎる、塩分過多などの食生活の乱れ

・テレワークやデスクワークで体をほとんど動かさない

・お酒が好きで飲みすぎる、タバコがやめられない

等々

 詰まるところ、生活習慣の乱れはメタボ、生活習慣病に関係しており、生活習慣を健康に役立つように改善すれば、メタボ、生活習慣病はかなりの程度抑えられるとみて良いように思われます。

 文部科学省、全国健康保険協会から、生活習慣病予防についてその方法を要約すれば、

  • 無理しない程度に、適度な運動を毎日続ける
  • 禁煙
  • バランスの取れた食事

〇塩分控えめな食事

〇脂っぽい食事は避ける

〇食事では肉よりも魚を選ぶ

〇食事では野菜を十分に摂る

〇飲酒はほどほどに

  • 毎食後歯を磨き、歯周病を防ぐ
  • 何らかの方法でストレスを解消する
  • 規則正しい睡眠で、十分な休息をとる

 どうやら、メタボ、生活習慣病を防ぐポイントは、①運動と②バランスのとれた食事にあるようです。

 

 皆さんに健康的で、輝くような生活があることを、祈念しています。

【参考】

以前、私が生活習慣病チェックに用いていた、「生活習慣病チェックシート」をちょっとご自分のチェックに使ってみていただけませんか。

 該当箇所には〇をつけ、総合点で判定してください。

  • タバコは吸わない
  • 週に2日以上、お酒を飲まない日がある
  • 太りすぎでない
  • 塩分の取りすぎに注意している
  • 睡眠を十分にとっている
  • イライラすることが少ない
  • 自分の生きがいや、趣味を持っている
  • 血圧は高くない
  • 糖尿病がない
  • 親や兄弟姉妹に長寿の傾向がある
  • 親や兄弟姉妹にガン、心筋梗塞、脳卒中の人がいない
  • 心電図の異常を指摘されたことがない
  • コレステロール、中性脂肪の値が高くない
  • 定期的に健康診断を受けている
  • 適度の運動をしている

判定

 15  点 : 模範的 

 14~12 : まずまず及第点

 11~09 : もうひと踏ん張り

 08~05 : 十分な注意が必要

 04~00 : 全面的な改善が必要

 さあ、あなたは何点でしたでしょうか。

【総合点】 :私は10点でした(まずまず及第点)。


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