メタバースの世界がやってくる


 ”2030年、私はロケットに乗って月世界に行き、月旅行を楽しんでいます。重力は地球に比べて小さく、身が軽くなったような気がしますが、空気が無いせいか、地球がとてもはっきりと美しく見え、私たちが住んでいた地球はあんなに美しかったのかと感動します。

しかし何もない世界を歩いても、いつしか飽きてきて、地球での生活がとても懐かしく、愛おしく感じられるようになります。・・・・・・・”

 すみません。これは、こうなったらいいなということを、夢物語風に表したメタバースの世界です。デジタルな仮想世界と現実世界がつながり、2つの世界を自由に行き来できる世界がメタバースの世界になります。仮想の月世界と現実の地上の私がアバターを介して、仮想の月世界と地上が結ばれるときメタバースの世界が作動します。

 皆さんは豊臣秀吉になってみたいと思いませんか。徳川家康はどうでしょう。それとも武田信玄がよいでしょうか。

日本が狭いなら、世界のチンギスハン、それともアレキサンダー大王が良いですか。

 実はもしもメタバースの世界を構築できるなら、仮想空間を戦国時代、紀元前のギリシャ、紀元後のユーラシア大陸に設定して、その仮想空間で活躍する人物を“分身アバターの自分”に置き換えて、歴史を動かせば、あたかも自分がその時代のヒーローになったような気分を味わうことができると思われます。

 現在はまだ膨大な作業を要するそうした試みは行われていませんが、例えば百貨店がメタバースの仮想百貨店をネット上に作り、顧客を“分身アバターの自分”というふうに設定し、仮想百貨店の販売員が顧客の“アバター”に話しかけ、“アバター”が買いたい品物を選定したとき、その品物が現実世界の自分が購入したものとして記録されるメタバースの世界はすでに、「仮想伊勢丹新宿店」で稼働しています。

 ここでは、客はVR(バーチャル・リアルティ:仮想現実)を活用したアプリを使い、アバター(自分の分身)を操作して、仮想の店舗内を歩いています。いろいろな品物が並ぶ売り場を散策し、同じくアバターになった店員の接客を受け、購入した商品はネット通販のサイトにいき、購入が完了します。

図1 メタバース伊勢丹でお買い物 

ここで活躍するのはデジタルの分身のもう一人の“自分、アバター”で、メタバースと呼ばれる仮想世界で買い物をし、イベントに参加し、働くことができます。

 メタバースの世界が浸透していくとき、世の中の仕組み、コミュニケーションのあり方なども大きく変わることが予想されます。

今後はメタバースに現れた建物や土地、またデジタルアートなどはデジタル資産として取引されるかもしれません。

メタバースの経済圏市場規模は2030年には世界で100兆円を超えると試算されており、仮想の「渋谷」などのサービス開発に乗り出している企業も多いと聞きます。

 私は思うのですが、メタバースはアニメの世界を2段構造で発展させるかもしれません。

 私は手塚治先生の「ブラックジャック」が好きなんですが、ブラックジャックを自分の分身のアバターに見立て、メタバースという仮想世界でブラックジャックを通して自分が手術を実行するという仮想現実を可能にすることができるようになるかもしれません。

 これは「ブラックジャック」に限ったことではなく、「ワンピース」「ドラゴンボール」をなどにも適用できて、アニメが現実社会と仮想社会が一体化することにより、新しい感動、新しい経験を私たちにもたらすかもしれません。

 これらはアニメだけでな、既存の映画においても映画の主人公をアバターの自分に置き換えることにより、映画を観戦した一人一人に異なった感動と経験を与えることにもつながります。

 メタバースを制する人は、新しく世の中の「ゲームチェンジャー」になる予感がします。

 ところで、メタバースの仮想現実世界を作るとき、そんなに簡単には作れない、と思われるかもしれません。

 しかし、そんなときに「AI」の能力について、このような記事があります。「メール文6秒で自動生成」。

 その完成度は非常に高く、ホワイトカラーが反日かけて考えるものが僅か6秒ででき、それも完成度が高いとくれば、ホワイトカラーはその時間を別のことに充てることができ、生産性が高まることが予想されます。

 AIをDXの中心に据え、メタバースに取り組むとき、メタバースは成長するかもしれません。

 過日、マイクロソフトの「ビルゲイツ氏」はMS-DOSというコンピュータ言語を世に出し、巨額の資産を形成されました。

 メタバースの世界をより早く、より完成度の高いものにしようと考える場合、誰かが「メタバース言語」なるものを創案し、「メタバース言語」に基づいて複雑なメタバースを構築するとき、メタバースはより簡単に、より速く、より高度な、より現実に近づいた仮想空間を表現できるようになるかもしれません。

 これからのイノベーション分野で飛躍する分野の一つに、メタバースの世界が挙げられ、もしもですが、もしも誰かがメタバース言語なるものを創案すれば、メタバース言語がメタバースのキャスティングボードになる可能性を否定することはできません。

多くの方の、この分野でのご活躍をお祈りします。

図2 時空を超えるメタバース

注:画像はすべて無料画像を利用させていただきました。ありがとうございます


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