自動車事故、最後のハードル、気になる示談!!! D14


 車の事故が起きて、もう7か月が過ぎた。早いものだ。事故により一時記憶喪失に陥り、事故当時の記憶はないが、その後の病院での介護、リハビリなどについてはよく覚えている。

 そして、退院後の警察、検察庁への出頭、運転免許停止処分手続きなど、様々な行政手続きがあった。

 こうした一連の介護・手続きの中で、どうしても私の不安を拭い去ることができなかったのが、事故相手、被害者との示談についてだった。

 私は警察官との現場検証で、タイヤ痕から私がセンターラインをオーバーして相手車と激突したことを知らされていたため、もしも示談交渉が開始されたら、私の記憶喪失もあり、相手からいかように被害請求をされても文句が言えないと思っていた。

 たとえば、①病院に入院したことによる、休職期間中の賃金補償、②体が損傷したことに対する慰謝料、③社会復帰した後の後遺症などによる費用負担、等々を思い、こうしたもの全てを含めると金額はかなりのものになることが予想され、その金銭的工面に頭を悩ませていた。

 既に病院で暮らしているときから、もしも物損事故で自分に非がある場合、どうなるだろうという心配をしていた。様々なことが心配ごととして私の脳裏に浮かんできたが、その一番の心配ごとは示談交渉のことだった。

 相手の被害状況は腰椎骨折、鎖骨骨折とのことであり、慰謝料請求金額として数百万、数千万を請求されるのではないかとも思った。

 とある時、保険会社から一通の書類が届いた。それは、私が単独で被害者と示談交渉をしないようにとの書類であり、そのための念書を取るものだった。私はそれが何を意味するのかも十分理解することもなく、念書にサインして印鑑を押し、返送した。

今思えば、これが私の不安を吹き飛ばす重要な「書類」だったことに気づく。

 私は退院し、相手も通院しながらではあるが退院しているとの便りを受けた。しかし、私は保険会社から相手の名前と被害状況こそ教えられたが、住所も、電話番号も教えられず、また私自身怖くて聞けなかった。

 検察庁の事務官から電話で、示談はどうなっているかの問い合わせがあった。示談は被害者と直接しないようにとの念書もあり、私には示談をどうしてよいか分からず、取りあえず損害保険会社に連絡し、示談について教授してもらうことにした。

 保険会社からは「示談は継続中」とのことで、検察庁にはその旨伝えるようにとの連絡を受けた。私はこの時点で、示談交渉は保険会社がしていることに気が付いた。


 示談は保険会社がする。考えてみれば示談金も保険会社が負担することになっているため、事故当事者同士が示談交渉をして、保険会社が支払う基準額以上の示談金が合意された場合、保険会社に損失が生じるために、保険会社は示談を当事者同士ではさせないことにしている。

 私がそれを知ったのは、かなり後になってからであり、その事実を知った時、私の不安は一挙に解決された

 問題は、本当に示談金は私が一銭も払わなくてよいのか、という一点に絞られることになった。

 この問題は最後になるまで、私には分からなかったが、遂にその事実が分かる日がきた。

 保険会社から、「物損事故 示談解決のご案内」なる、一通の書類が届いた。

そこには、次のような示談の内容についての文言が記されていた。

  • 保険会社A(甲加入の保険会社)は、本件物損事故による乙の損害として、車両損害×××××を保険会社Bに支払う。」
  • 上記内容により、乙は甲及び保険会社Aに対する損害賠償請求が終了したことを確約する。」

この書類内容から、私の金銭的負担は一切ないことが明らかになった。

 こうして私の「自動車事故」は終わりを迎えることになり、私の杞憂はすべて払拭されることになった。

 私は、改めて保険の重要性、大切さを知ることになった。私が事故を起こしてから金銭的負担を覚えたことは一度もなかった。すべてが保険、保険会社によって処理され、あの大きな事故(自称)でも、負担はなかった。

 世のほとんどのドライバーは保険に加入されていると聞く。しかしそれでも、20~30%のドライバーは保険に未加入と聞く。

 今回の自動車事故で、いざというときの保険の大切さ、凄さは素晴らしいものがあることに気づかされた。これは事故を起こして初めて気が付いたことだった。

 事故を起こした当人がいうのもオコガマシイのだが、保険に未加入のドライバーの皆さんに是非保険に加入されることをお薦め致します。それは、あなたやご家族の安心のために!!

 


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