―皆さんの健康を劇的に改善する「豆」―
―たかが豆、されど豆―
1 はじめに
皆さんは、豆の力をどれぐらいご存知ですか。私ははっきり言って小豆(アズキ)の力は小豆ご飯(赤飯)を食べることで、何となく分かっているつもりでしたが、小豆と豆腐の原料になる大豆以外には興味はなく、他の豆については長い間放っておいた記憶があります。
しかし何時だったか、亡くなった母が「ソラマメご飯」を作ってくれて、赤飯とは違ったとても美味しいご飯だったことを覚えています。
今のように細かいレシピは無かったので、母は自己流で「ソラマメご飯」を作りました。
当時のことを思い出すと、ソラマメを鞘から取り出し、20~30分程度塩を混ぜて煮てソラマメを柔らかくします。柔らかくしたソラマメを白米と一緒にして更に塩、昆布とお酒を少々混ぜ合わせて炊き込みます。
匂いが小豆の赤飯とは違った、ソラマメの独特な香りがして、食欲を大いに刺激されたのを覚えています。
2 豆類の栄養価とその機能
ところで、豆の栄養価について、日本食品成分表によって確認すると、小豆のみならず、全ての豆類で極めて高い栄養価をみることができます。
表1、2、3は豆類の三大栄養素とミネラル、ビタミン含有量を表示したものです。野菜でも栄養価が高いと言われるホウレンソウ、ブロッコリー、春菊を添付しておきました。
これらの表から、豆類は極めて高いタンパク質・脂質・炭水化物を有しており、またミネラル、ビタミンも含み、人の体の構築に必要な五大栄養素を全て高密度に含んでおり、「スーパーフード」と言えるものになっています。
特に落花生を除いて、大豆は高いタンパク質を含有しており、「畑の肉」とも呼ばれています。
豆類にはミネラルやビタミンB群、パントテン酸が多く含まれており、健康維持には非常に効果的と思われます。
豆に多く含まれるミネラルのリン、鉄、マグネシウム、銅、亜鉛を見るとき、リンは骨や歯を作り、鉄は血液を作ります。またマグネシウムの不足は不整脈を起こし、心疾患を引き起こす危険があり、銅の不足は鉄の吸収量が低下し、骨の異常、発育障害が引き起こされると言われています。
また食物繊維は便秘の予防・解消に役立つと言われています。
ではビタミンではどのような働きが見えるのでしょうか。
ビタミンB群とパントテン酸の働きをみて見たいと思います。
ビタミンB1は糖質がエネルギーに変わるときに、必要な補酵素の役目をします。欠乏すると、糖質を分解できないで、乳酸やピルビン酸等の疲労物質がたまって疲れやすくなり、食欲不振、倦怠感、手足のしびれ、むくみ、動悸等が見られるようになります(代表的な欠乏症は脚気)。
ビタミンB2は、脂質の代謝促進。皮膚・髪・爪の再生に関与し、有害な過酸化脂質を分解します。脂質の摂取が多いほどビタミンB2は多く必要になり、不足すると、皮膚や粘膜に炎症がおこりやすくなり、症状は 口角炎、口内炎、舌炎、肌荒れ等、子供の場合には不足すると成長障害が引き起こされます。
パントテン酸は、糖質、脂質、たんぱく質の代謝とエネルギー生産に不可欠な酵素を補助する役割をしています。また、コレステロールやホルモン、免疫抗体などの合成にも関係しており、これらのことから、皮ふや粘膜の健康維持を助ける働きもしていることが理解できます。パントテン酸が不足すると、頭痛、疲労、手足の知覚異常等が出てきます。
以上のように、豆類が多く含んでいる栄養素は、体を作るたんぱく質、活動を促す炭水化物に加えて、ミネラル、ビタミンがあり、これらによって人の体は正常に動くようにコントロールされていると言っても良いのではないかと思われます。
余談ですが、大豆は、肉や魚に匹敵するほどの豊富なたんぱく質を含んでおり、しかもコレステロールを減らす機能を含んでいます。
中でも見逃せないのが、大豆のたんぱく質は「必須アミノ酸」が豊富だという点で、驚くことに、大豆から必須アミノ酸9種類すべてを摂取することができると言われています。
日本人が江戸時代以前、肉や魚をあまり食べなくても丈夫な体を作れたのは、味噌や納豆などの大豆料理を食べることで、必須アミノ酸が欠乏しにくかったからだとも言われています。
また小豆は、大豆や落花生など脂質が中心の豆と違い、食物繊維と糖質で構成される炭水化物が主体の豆で、タンパク質も豊富で、ビタミンB群やミネラルを含みます。小豆は低脂質・高タンパクで食物繊維の豊富な理想的な健康食品です。
3 豆類に見られるその他の機能、“フィトケミカル”
皆さんお気づきのように、小豆の色は、”小豆色”といわれるように、赤茶色の色をしています。また、大豆は薄い黄色の色をしています。
一方、ハーブ等は様々な香りを発散させています。皆さんは、これらの色や香りについて、どうお思いですか?
実はそこで第7の栄養素とも言われる、「フィトケミカル」という化学物質が発見され、そこに機能性成分があり、体の生理機能を活性化させるという働きが見出されました。
フィトケミカルは、野菜、果物、豆類、芋類、海藻、お茶やハーブなど、植物性食品の色素や香り・アクなどの成分から発見された化学物質で (魚介類や海藻などに含まれているものもあります)、栄養素以外の成分(非栄養素=機能性成分) で、栄養学の世界では、第7の栄養素として脚光を浴びています。
なお、主な栄養素を列挙すれば、3大栄養素である炭水化物(糖質)・タンパク質・脂質。これにビタミン・ミネラルを加えたものが5大栄養素で、さらに第6の栄養素と呼ばれている食物繊維があります。
そこに、第7の栄養素として機能性成分としてのフィトケミカルを加えて、生活に必要な全7つの栄養素として知られることになりました。
「フィトケミカル」が注目される理由は、体を老化させ、生活習慣病などを引き起こすといわれる「活性酸素」を除去する働きとともに、白血球を活性化して免疫力を高め、花粉症等のアレルギー対策などにも役立つ、またアルツハイマーの予防にもつながるのではないだろうか、などとも考えられ、その機能性に期待が寄せられていることにもよります。
“ファイトケミカル”は、■ポリフェノール、■含硫化合物、■カロテノイド 、■糖関連物質、■アミノ酸関連物質、■香気成分に分類されます。
以下で、大豆、小豆に関係した“フィトケミカル”をご紹介したいと思います。
表7は、大豆、小豆に関連したフィトケミカルで、それには「ポリフェノール」、「糖関連化合物」が関連しています。
活性酸素は細胞を傷つけ、ガンや動脈硬化、老化などの弊害を生じる原因になります。抗酸化作用ではビタミンCやビタミンEが知られていますが、ポリフェノールにも強力な作用があります。
アントシアニン類、カテキン類、サポニン等には「小豆」が、イソフラボンでは「大豆が」関与し、そこでは、小豆では、①酸化的損傷からの細胞保護、循環器疾患と悪性腫瘍のリスク軽減、②抗酸化作用・癌の増殖抑制、大豆では、①更年期障害改善・骨粗鬆症予防。花粉症による炎症の抑制効果、②抗酸化作用等が挙げられ、ミネラル、ビタミンに匹敵する機能が見られるものになっています。
特に大豆、小豆ともに抗酸化作用は強く、ガンや動脈硬化、老化などを防ぐ、重要な機能を持っていることに驚きます。
また、大豆や小豆に多く含まれる“サポニン”には、強い①.抗酸化作用、②免疫力の向上機能があります。
血液中の脂肪やコレステロールが活性酸素によって酸化されると、LDL(悪玉)コレステロールとなって、血管内に脂肪が蓄積し、高血圧、心筋梗塞、脳卒中の原因を作りますが、大豆、小豆サポニンには抗酸化作用があるために活性酸素は除去され、脂肪の酸化が防がれ、血液はサラサラの状態に保たれます。
また、サポニンには免疫機能があり、リンパ球の1種であるナチュラルキラー細胞を活性化し、ウイルスや細菌から体を守る働きがあり、サポニンの免疫力アップの働きは、インフルエンザや風邪などをひきにくくします。
如何でしょうか。「豆」の働きに、大いに驚くと共に、感謝の気持ちが沸き上がってくるのではないでしょうか。
特に「大豆」と「小豆」をセットで食生活に取り込むとき、これまで見てきた多くの「大豆」と「小豆」の食物機能が働いて、私たちに便秘予防を始め、ガンや動脈硬化、老化などを防ぎ、また体を作るたんぱく質、活動を促す炭水化物に加えて、ミネラル、ビタミンがあり、これらによって人の体は作られ、正常に動くようにコントロールされていると言っても過言ではないと思われます。
豆に多く含まれるミネラルのリン、鉄、マグネシウム、銅、亜鉛を見るとき、リンは骨や歯を作り、鉄は血液を作ります。またマグネシウム、銅不足は不整脈、心疾患の原因になり、骨の異常、発育障害が引き起こします。亜鉛は、DNAの合成や糖質の代謝、インスリンの合成、免疫反応などにかかわる酵素の構成成分であり、その機能には多くの役割が期待されます。
大豆・小豆に多く含まれるビタミンB1は、糖質がエネルギーに変わるときの補酵素の役目をし、欠乏すると、糖質の分解ができないで、乳酸等の疲労物質がたまって疲れやすくなり、食欲不振、倦怠感、手足のしびれ、むくみ、動悸等が見られるようになり、脚気を発祥することもあります。またビタミンB2は、脂質の代謝促進、皮膚・髪・爪の再生に関与し、有害な過酸化脂質を分解します。ビタミンB2が不足すると、皮膚や粘膜に炎症がおこりやすくなり、口角炎、口内炎、舌炎、肌荒れ、そして子供の場合には成長障害が引き起こされます。パントテン酸は、糖質、脂質、たんぱく質の代謝とエネルギー生産に不可欠な酵素を補助する役割を担っており、パントテン酸が不足すると、頭痛、疲労、手足の知覚異常等が出てきます。
大豆・小豆の食物繊維の多さが体内環境を改善するとともに、フィトケミカルのポリフェノールのアントシアニン類はビタミンCやビタミンEと同様、活性酸素を抑える「抗酸化作用」を有しており、また、カテキン類、サポニン等では「小豆」が、イソフラボンでは「大豆が」関与し、小豆では、①抗酸化作用・癌の増殖抑制、②酸化的損傷からの細胞保護、循環器疾患と悪性腫瘍のリスク軽減、大豆では、①抗酸化作用、②更年期障害改善・骨粗鬆症予防、花粉症による炎症の抑制効果等が挙げられ、ミネラル、ビタミンに匹敵する機能が見られるものになっています。
特に大豆、小豆ともに抗酸化作用は強く、ガンや動脈硬化、老化などを防ぐ、重要な機能を備えています。
4 私の体質改善と食生活
1)“玄米・小豆ご飯”
亡くなった母のことを思うと、懐かしさで一杯になります。それは、「優しかった」とか、「厳しかった」とかではなく、様々な料理を工夫して私たちに食べさせてくれたことです。
当時は何も分からず、「あー、おもしろいことをお母さんしてるな-!!」位にしか思っていなかったのですが、今振り返ってみると、常識外れの様々な料理を私たちに提供し、私が食に興味を持つようになったのは、母の日常におけるこうした些細なことで、私がどちらかといえば「食オタク」になったのは、こうした母の影響だと思います。
冒頭、“ソラマメ豆ご飯”を紹介しましたが、実は何度か「赤飯に大豆を入れた、“小豆、大豆赤飯”」を作ってくれました。
ただしこの時は、餅米をベースにした“小豆、大豆赤飯”であり、栄養価云々を考えたものではなく、あくまでも味覚を重視した”新作ご飯”という位置づけです。
過日、 “玄米・小豆ご飯”で熱中症から回復した友達がおりました。私もあやかって、その仲間入りで、“玄米・小豆”ご飯に手を染めるものです。
彼は「熱中症」で、手が痙攣し、使えなくなり、また水分補給ができない状況になり、その晩に“こむら返り(足がつる)”があり、とても痛かったといいます。
そいう彼が現在、“玄米・小豆ご飯”で健康を取り戻し、以前よりも体の調子が良くなったと言っています。
今年の夏は大変でした。故郷で、草刈り作業を手伝ったのですが、汗が出ること出ること、熱中症寸前のところまで行きました。
そのとき、改めて“玄米・小豆ご飯”に感謝したものです。
2)“玄米・小豆ご飯”を超えて
ところで、今回「豆」の力を調査した結果、大豆と小豆をブレンドした、“大豆・小豆ブレンド豆”には更に大きな力があることが分かりました。
私はこの“大豆・小豆ブレンド豆”を“奇跡(ミラクル)の豆”と命名したいと思います。
勿論、大豆、小豆にはいろいろな品種があり、一概に“奇跡の豆”を一つに特定できず、また大豆、小豆の最適混合割合を特定できるものではありませんが、基本、“大豆・小豆ブレンド豆”を“奇跡(ミラクル)の豆”と命名したいと思います。
現在私が考えているのは、「玄米・小豆・大豆ご飯」になります。
過去、戦国時代、戦場で戦う武士の主食は玄米でした。そして大豆が添えられることになります。まさに昔から理に適った食事が考えられてきた様子が窺われます。
“玄米・ミラクル豆ご飯(玄米・大豆・小豆ブレンド豆ご飯)の「効能」 について
〇 “こむら返り”、”むくみ”の解消。
〇 体内環境の改善による“便秘”の解消
〇 血圧の改善、高血圧の解消
〇 体重の適正化
などが見られ、日常生活で健康体であることを実感できます。
ただし、 “玄米・ミラクル豆ご飯”は、体の弱い人(特に胃腸)が急に実行しても、体が消化しきれませんから、八分つき、五分つき、三分つき玄米、大豆・小豆の量目を考えて、徐々に100%の “玄米・ミラクル豆ご飯”に近づけることが必要とは思われます。
皆さんの健康が良きものになりますように、お祈りしています。