糖尿病は万病の元


1 母の糖尿病と入院

私の母は糖尿病を患っていました。糖尿の気は母方の系統で、昔から代々糖尿病との戦いがあったようです。

 ある日、母が友人に何気ない一言を告げます。

  「最近というより、前から目が霞んでよく見えんけど。どうしたもんじゃろか。」

 母は自分が遺伝的に糖尿病にかかりやすい体質だということは自覚していましたが、実際に糖尿病がどのような物かは分かっていませんでした。

 ただ、糖質の高い食物はできるだけ遠ざけていたようです。

  「最近というより、前から目が霞んでよく見えんけど。どうしたもんじゃろか。」

 友人は即、病院に連絡し受診するように言いました。

 母は病院に連絡し、受信することになりました。

  そしてそこで驚く診断結果が母に下されます。

  「即入院してください。入院しないと命の保証はありません。」

  母はその場で即入院手続きをとり、入院しました。

  しかし3か月後、母に会った時にはまるで別人のような体型、雰囲気に変わっていました。

  あのふくよかで、柔和な感じの母からふくよかさが消え、体つきも丸みが無くなり、ごつごつした感じになり、何より驚いたことは、太もも部分の筋肉が無くなり、大腿骨がそのまま感じられるほどに痩せていたことでした。

  そして、以後、母は病院、介護施設を離れることはなくなりました。   病院生活は、できるだけ避けることが大切と痛感した、母の闘病生活でした。

2 糖尿病

糖尿病とは、膵臓から出るインスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまう病気を言います。

血糖の濃度(血糖値)を高いまま放置すると、血管が傷つき、糖尿病の慢性的合併症に繋がり、心臓病や、失明、腎不全、足の切断といった、より重い病気になると言われています。

私たちが食事をすると、栄養素の一部は糖となって腸から吸収され、寝ているときには肝臓で糖が作られています。糖は体にとって非常に大切で、常に血液中を流れています。

そして、筋肉などの細胞までたどり着いた糖は、同じく血液中を流れていたインスリンによって細胞に取り込まれ、取り込まれた糖は、体の活動エネルギー源となります(図2)。

インスリンが働かなくなると、細胞に糖が取り込まれなくなり、血糖値が高くなります。

糖尿病の症状としては、

〇喉が渇く、水をよく飲む

〇尿の回数が増える

〇体重が減る

〇疲れやすくなる

などが挙げられています。

 糖尿病の種類を見ると、

大まかに、1型糖尿病と2型糖尿病に分類され、

〇1型糖尿病では、膵臓からのインスリンがほとんど出なくなり、生きていくために、注射でインスリンを補うことになります。

〇2型糖尿病は、インスリンが出にくくなったり、インスリンが効きにくくなったりすることで血糖値が高くなります。2型糖尿病の原因は、遺伝的な影響に加えて、食べ過ぎ、運動不足、肥満などの環境的な影響があるといわれています。

母の糖尿病は2型糖尿病の部類に属し、気づかないうちに進行していた糖尿病ということになると思います。

いずれにしても、糖尿病に関して言えば、食事療法、運動療法が大切であり、バランスの取れた食事が大切になります。

3 糖尿病の合併症

 私が最も危惧するのが、「糖尿病の合併症」についてです。

 糖尿病とは、基本、血液中の糖の過剰流出により血管が損傷を受け、そこからさまざまな病気を誘発することにあり、糖尿病の三大合併症として、「糖尿病網膜症・糖尿病腎症・糖尿病神経症」が挙げられています。

 しかし、その他にも、

  • 目:網膜症・白内障・緑内障
  • 呼吸器:肺炎、感染症
  • 腎臓:腎症
  • 泌尿器:勃起障害・尿路感染症・膀胱炎・排尿障害
  • 脳:動脈硬化・脳梗塞
  • 心臓:動脈硬化・心筋梗塞
  • 皮膚:皮膚症・感染症
  • 神経:末梢神経障害

等があげられ、糖尿病を基にする病害が多く存在することに驚きを禁じえません。

また、糖尿病によってがんが発症しやすくなる可能性があり、日本糖尿病学会と日本癌学会が日本人約34万人を調べたところ、がん全体では糖尿病の人はそうでない人に比べ1.2倍発症しやすく、特に肝臓がんは2.0倍、すい臓がんは1.9倍、大腸がん(結腸がん)は1.4倍とのことです。

 私も母の血筋を受け継いでいますので、いつも糖尿について注意しています。幸いなことに、まだ糖尿病の気は出てきておらず安心していますが、しかしいつなんどき糖尿病が発症するか分かりません。

 運動と食事に気を付けたいと思っています。

 因みに、「糖尿病によい食べ物」とは、インスリンが十分に働かず、血液中のブドウ糖が多くなることを妨げる「血糖値を下げる働きを持つ食べ物」ということになり、

〇玄米や胚芽米

玄米や胚芽米にはクロムという栄養素が含まれており、クロムはすい臓から分泌されるインスリンが糖を細胞に取り込む際に、サポート役として働きます。

〇豚肉

豚肉は糖の代謝に必要なビタミンB1を多く含んでいます。ビタミンB1には糖を分解してエネルギーに変える働きがあります。ビタミンB1の働きを助けるのがにんにく、玉ねぎ、にらなどに含まれるアリシンで、「豚肉×ニンニク×玉ねぎ×にら」で炒め物があります。

〇魚は青魚

アジやさば、さんまなどの青魚。

青魚に含まれる脂が、インスリン分泌を改善し、血糖値を下げる効果が期待できます。

〇大豆製品の高野豆腐

高野豆腐には、レジスタントプロテインが含まれ、糖質の吸収を緩やかにし、血糖値の急上昇を防ぎます。

〇きのこ類

 きのこには食物繊維が豊富。食物繊維は、糖の吸収を阻害するため、血糖値の上昇を緩やかにします。

〇野菜

ブロッコリーや小松菜などの緑黄色野菜。食物繊維以外に、糖の代謝を促進する葉酸を含みます。

また、トマトにはリコピンが含まれており、リコピンを継続して取り入れると血糖値が下がるという研究結果があると言われています。

皆さんの健康が維持されますように。皆さんのご発展を祈念しています。

注:ここで使用させていただいた画像は全てフリー画像です。ありがとうございました。


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