中国とロシアが軍事的連携を強めています。2022年5月24日、核兵器を搭載できる中露の爆撃機4機(ロシア軍のTU95爆撃機2機、中国軍のH6 爆撃機2機)が日本海と東シナ海の上空を飛んでいますが、中露の共同飛行はロシアのウクライナ侵攻後初めてで、中露の蜜月関係は健在であり、示威行動は今後も続くものと思われます。
防衛省・統合幕僚監部は、2021年10月18日(月)午前8時頃、北海道奥尻島の南西約110kmの海域において中国とロシアの軍艦計10隻を確認し、これらは津軽海峡を通過して太平洋へ向け航行したと発表しました。
10月18日(月)に津軽海峡を通過したのは、以下の軍艦になります。
中国
・レンハイ級ミサイル駆逐艦 1隻
・ルーヤンIII級ミサイル駆逐艦 1隻
・ジャンカイII級フリゲート 2隻
・フチ級補給艦 1隻
ロシア
・ウダロイI級駆逐艦 2隻
・ステレグシチー級フリゲート 2隻
・マルシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦 1隻 合計 10隻
海上自衛隊によると、これら中国艦艇は、10月11日(月)に対馬の南西海域で確認され、その後、対馬海峡を北東進したものと同一で、また、中国海軍艦艇とロシア海軍艦艇が同時に津軽海峡を通過することを確認したのは、今回が初めてだといいます。
中露の軍艦がなぜ日本の周辺を航行しなければならないのでしょうか。通常は全く無意味なものですが、しかしそこには何らかの意図があるものと思われます。
2022年2月4日、中国の習近平主席とロシアのプーチン大統領は北京で首脳会談を開き、「中露共同声明」を発表しました。
『少数の国際勢力は、頑固に一国主義を追求し、権力政治に訴え、他国の内政に干渉し、他国の正当な権利と利益を害し、矛盾、相違、対立を生み出し、人間の発展と進歩を妨げ続けています。国際社会はこれを決して受け入れません。
双方(中露)は、対話を強化し、相互信頼を強化し、コンセンサスを構築し、平和、開発、公正、正義、民主主義、およびすべての人類の自由の共通の価値を保護し、すべての国の人々の権利を尊重することをすべての国に求めます。独自に開発の道筋とすべての国の主権と安全保障を選択し、利益を開発し、国連を核とした国際システムと国際法に基づく国際秩序を擁護し、国連と国連安全保障が中心的な調整の役割を果たし、国際関係の民主化を促進し、世界の平和、安定、持続可能性の発展を達成します。』
と謳い、
1 民主主義は普遍的価値であり、一部の国の特権ではない。
2 ユーラシア・パートナーシップの拡大や一帯一路計画を言及し、経済発展の重要性を強調。
3 安全保障につき、中露は相互の「核心利益」を擁護し、「ロシアは一つの中国の原則を支持する」。「両国は近接地域での外部勢力による干渉を排除し、当該地域での両国の協力を強化する」。そして、双方(中露)は「北大西洋条約機構(NATO)の更なる拡大」に反対する。
4中国は欧州安保に関するロシアの提案を支持し、アジア太平洋の閉鎖的なブロック化に反対する。オーカス(AUKUS)を非難、核・ミサイル不拡散を守るべき。米のアジアや欧州での中・短距離ミサイルの配備計画の中止を求め、福島の「核汚染水」の海洋投棄に懸念を表明。
5 共同して「新たな形の国際関係」を築き、中露は第二次大戦の結果を堅持し、両国の友情に限界はなく、WTOを支持し、APECを強化する。
との宣言になっています。
国際条約、国際法を無視し、民衆の多様な言論を弾圧する非民主の一党独裁、専制政治で強権、人権を擁護しない国が、理想の宣誓前文を宣べている訳ですが、いずれにしてもここから見えることは、新たな「枢軸国」ができた、という感がすることであり、この宣言を見る限り、
「両国軍が、日本海と東シナ海の上空での合同の戒監視活動が増えていく可能性あり」、また「中露両国は、山のように団結しており、その友情は揺らぐことはない」という言葉や「戦略的な軍事演習や合同の巡視活動などを通じた協力の強化によって両国の核心的利益を守ることで一致」という文言に対して違和感を感じることはありません。
また、ロシア国防省は「双方は、最も高いレベルに達した合意事項を実施し、両国軍の連携を拡大する用意があることを確認した」としており、2017年9月、中国とロシア両国の海軍が北海道沖のオホーツク海を舞台に合同軍事演習を繰り広げました。中国網は海軍専門家の「この海域は南クリル諸島(日本名・北方四島)に近く、米日の北東アジアにおけるシーパワーに影響を及ぼすことができる」との見解を紹介し、「ここは米日による第一列島線の北東部に位置し、中露のシーパワーが将来的に突破しなければならない海域だ」とし、演習の狙いについて中国メディアは「中露のシーパワーが将来的に突破しなければならない海域」と強調。中露の緊密な連携を誇示し、日本や米国をけん制しました(中国は青島に司令部を置く北海艦隊所属のミサイル駆逐艦「石家荘艦」、ミサイル護衛艦「大慶艦」、総合補給艦「東平湖艦」、総合潜水艦救難艦「長島船」の計4隻を派遣しました。4隻は青島を出港し対馬海峡を通過してロシア極東のウラジオストクに到着し、その後、演習海域に向かい、演習で中露海軍はレーダー、ソナーなどのデータや性能を互いに公開し、対航空機、対潜水艦の能力を高めていったといいます)。
北朝鮮がミサイル連射の実験を止めることなく、2022年5月25日、長距離弾道ミサイルと短距離弾道ミサイルを連射し、日米韓を同時攻撃できる能力を誇示し、2025年5月に入り、弾道ミサイルの発射数はすでに21発にものぼっているとのことです。
この北朝鮮の暴挙に対して国連安全保障理事会は「原油や石油製品の供給上限をさらに25%削減する」内容の対北朝鮮制裁決議案を提出しますが、中国とロシアの拒否権発動により、決議案は否決されました。北朝鮮の弾道ミサイル開発は継続されることになります。
ここから垣間見えることは、中露、北朝鮮は連携しており、ロシアのウクライナ侵攻に合わせて、明確に日米韓、西側諸国と対立しており、今後の世界情勢は急激な変化を遂げる可能性が出てきています。
枢軸国「中露」、衛星国「北朝鮮」という図式でしょうか。
日本周辺は「波高し」です。
日本の未来はあるのでしょうか。
日本には憲法9条があるから大丈夫という人も大勢いますが、憲法が国民を守るわけではなく、国民は自らが、自らの国を守る必要があります。
「日本国民は、日本国憲法を守るために存在している。」
「日本国憲法は、日本国民を守るために存在している。」
さて、私たちは、「日本国憲法を守るために存在している。」のでしょうか。いや、日本国憲法が、「日本国民を守るために存在している。」と思います。
もしも現行日本国憲法が日本国民を守ることができないなら、「日本国憲法」の改正が必要になると思われます。
皆さんのご家族の将来が安泰であることをお祈りしています。